コンセプト

「人は食べたものからできている」
そんな思いで、子育ての中心に「食」を据えてきました。
子どもたちと一緒に田植え、たけのこ掘り、果物狩り、味噌作りなど、四季とともにある暮らしはとても豊かなものでした。

3.11の震災を機に、食の安全性は大きく揺らぐことに。
自然の循環と共にある暮らしは危険を伴うものに変化し、加えて子どもたちの体調にも変化がおきました。
少しでも安全な食べ物や解毒作用の高いものを調べるようになり、その中で発酵食、とりわけ麹と出会えたことは大きな希望となります。

発酵食品を摂ることで腸内環境が整い、免疫力も上がります。子どもたちの体調が回復することで心が軽くなりました。
身体に良いのはもちろん、優しい甘みと旨味に溢れる発酵の世界に魅了されていきました。

食べ物を発酵させるには、自然界に存在する微生物の力を借りることが必要です。
そのことから、人間本位でない生き方を学ぶヒントをもらえたような気がします。

また、震災をきっかけに、地域の有機農家さんはじめ、農薬や遺伝子組換えなど、食や環境にまつわる様々な問題に関心の高い人たちとも出会いました。
心ある農家さんの美味しい野菜や卵を、自然に寄り添った暮らし方をもっと沢山の人に知ってもらいたい。
店で使う食材は、そんな思いで選んでいます。

海外ではスタンダードになっている、ベジタリアンやヴィーガンにも対応する食事。様々な嗜好の人が同じテーブルを囲めるような店にしたい。
違う考えの人々がお互いを認めつつ同じテーブルにつく、という事が多様性の基本。
究極はそれが世界平和の始まりだと思うのです。